この記事でわかること:ヘアアイロンとドライヤーの温度差、髪が熱でダメージを受けるメカニズム、アイロンの熱に対応したアウトバストリートメントの選び方を解説します。
ドライヤーの熱よりもアイロンの熱の方がはるかに高い
「ドライヤーの熱で髪が痛む」という話は以前からよく知られています。しかし近年、ヘアセットの主役はドライヤーからヘアアイロンへと変わりつつあります。
ヘアアイロンが登場する以前は、ドライヤーとブラシを使ったブローが主流でした。この場合、髪の温度はおよそ120度まで上がると言われています。
一方、ヘアアイロンは180度前後で使用されることが多く、天ぷらを揚げる温度よりも高い熱を、毎日髪に当てていることになります。ドライヤーの熱の約1.5倍の温度を、日常的に髪に与えている計算になります。
髪のどの部分が熱で痛むのか
髪の構造は、太巻き寿司にたとえるとイメージしやすくなります。
- 海苔=キューティクル(髪の表面)
- ご飯・具=タンパク質(髪の内部)
髪の表面のキューティクルは、200度以上の熱にも耐えると言われています。しかし、痛むのは表面ではなく、内部にあるタンパク質です。
理由:タンパク質は熱を受けると変性します。卵を加熱するとゆで卵や目玉焼きになり、元の生卵には戻らないのと同じ現象が、髪の内部でも起こります。一度変性したタンパク質は、二度と元の状態に戻す方法がありません。
熱を当て続けることで、髪はどんどん硬くなり、最終的にはどんな施術をしても丸みやしなやかさが出なくなります。これを「タンパク変性」と呼びます。変性してしまった部分を元に戻す手段はなく、対処法はカットして新しい髪に入れ替えることのみです。
いいアイロンを使えば痛まない、は誤解
「いいアイロンを使っているから髪が痛みにくい」というのは、痛みにくくなる要因のひとつではありますが、痛まないという意味ではありません。
アイロンの表面がテフロン加工などでコーティングされていても、熱そのものは髪に伝わっています。コーティングは滑りの良さや焦げつきにくさに関係するものであり、熱によるタンパク変性を防ぐものではありません。
140度、160度、180度――どんなに性能の良いアイロンでも、高温を毎日当て続ければ髪へのダメージは避けられません。
アイロンの熱に対応したアウトバストリートメントを選ぶ
アイロンによる熱ダメージを抑えるために重要なのが、アイロンの熱に対応したアウトバストリートメントを使っているかどうかです。
一般的に、2,000円台のアウトバストリートメントはアイロンの熱対応をしていない商品が多く、3,000円台以上からアイロンの高温に対応できる商品が中心になります。近年、多くのメーカーがアウトバストリートメントの価格帯を引き上げていますが、その背景には高温対応の成分への入れ替えがあります。
さらに近年は、髪質改善成分を配合したアウトバストリートメントも登場しています。こうした商品は、成分が反応するために80〜90度以上の熱を必要とし、推奨温度が120〜140度に設定されているケースもあります。以前であれば高すぎるとされていた温度域ですが、専用に開発された商品であれば、その温度を活かして扱うことができます。
まとめ:アイロンと正しく向き合うために
- ヘアアイロンの温度はドライヤーの約1.5倍
- 痛むのは髪の内部のタンパク質。一度変性すると元に戻らない
- 「いいアイロン」でも熱そのものによるダメージは避けられない
- アイロンの熱に対応したアウトバストリートメントを選ぶことが重要
ヘアアイロンは今や、ヘアセットに欠かせない道具になりました。だからこそ、正しい知識を持って向き合うことが、これからのヘアケアにおいて重要になります。
よくある質問
Q. いいアイロンを使えば髪は痛みませんか?
A. 痛みにくくなる要因にはなりますが、熱そのものによるダメージがなくなるわけではありません。アウトバストリートメントとの組み合わせが重要です。
Q. アウトバストリートメントは何を基準に選べばいいですか?
A. 価格帯だけでなく、アイロンの熱に対応した成分かどうかがポイントです。2,000円台の商品は熱対応していないケースが多く見られます。
Q. 一度タンパク変性した髪は元に戻りますか?
A. 変性したタンパク質を元に戻す方法はありません。カットで新しい髪に入れ替えることが唯一の対処法です。
Q. ドライヤーだけならダメージは少ないですか?
A. ドライヤーの熱もダメージの原因になりますが、アイロンと比較すると温度は低い傾向にあります。ただし、乾かし方や当て方によって影響は変わります。
毎日のヘアアイロンとの付き合い方、アウトバストリートメントの選び方について気になる方は、ぜひnatureのスタッフまでご相談ください。
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